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 御挨拶

全日本聾教育研究会会長(愛知県立岡崎聾学校長) 鹿嶋 浩

令和4年5月の総会におきまして,全日本聾教育研究会会長を務めさせていただくことになりました愛知県立岡崎聾学校の鹿嶋と申します。3期目となりますが,会長の重責が担えるかどうか,未だ自らに問う毎日であります。もとより微力ではございますが,副会長,常任理事,事務局及び会員の皆様とともに,全日本聾教育研究会の発展のために,精一杯務めを果たして参りますので,皆様方の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い致します。

本研究会は昭和42年に産声を上げました。全国の聾学校(聴覚特別支援学校等を含む)や大学,研究機関等から約4200名の教職員と聴覚障害教育担当者が参画する日本最大規模の聴覚障害教育研究会であり,このような研究会は世界的に見ても極めて稀でございます。

6月に行われました第135回全国聾学校長会研究協議会において,文部科学省の堀之内恵司特別支援教育調査官の資料から聾学校の在籍者数は減少傾向であるものの難聴学級在籍者数や通級指導を受けている児童生徒数は増加傾向にあり,聴覚障害を有する幼児児童生徒数はほぼ横ばいであることがわかりました。こういった現状を踏まえ,以前私が所属しておりました全国聾学校教頭会の合言葉が「選ばれる聾学校づくり」であったことを思い出します。確かに,聴覚障害を有する幼児児童生徒の学びの場は分散していますが,聾学校の重要性は今も昔も変わっておりません。むしろ,新幼稚園教育要領や新学習指導要領への対応は言うに及ばず,文部科学省が示した「GIGAスクール構想」に伴う教育現場での実践とその検証,また,新生児聴覚スクリーニング検査と人工内耳の普及や手話の早期導入,高等教育機関への進学や職業選択の幅の拡大等,聾学校の重要さは増していると私は感じています。そして,聾学校に最も求められている点が聴覚障害教育の専門性であり,日々の授業を通して子どもたちの可能性を最大限に引き出すことだと考えます。

繰り返しになりますが,学校教育の根幹をなすものは,日々の「授業」であり,授業力は昔も今も自主的な実践研究を通じて養われるものであることは言うまでもありません。第1回名古屋大会(愛知)以来50有余年に渡り受け継がれてきました授業実践を発表する場としての全日本聾教育研究会を今後も継承しつつ,皆様とともに新しい時代の研究会へと歩みを進めていきましょう。

さて,令和4年度の第56回全日本聾教育研究大会愛知大会は3年ぶりの集合開催となります。参加者も久しぶりに400名を超え,分科会の発表件数も70件ほどと聞いております。新型コロナウイルス感染症が未だ終息の目途が立たない状況ではありますが,感染対策を行いつつ社会経済活動を止めることなく日常生活を送るという政府方針を受け,基本的な感染対策を行い,健康観察を徹底することで開催校の幼児児童生徒,教職員及び参加者全員の安全が確保できると大会・本部事務局ともども判断した結果です。記念講演はライブに加えて今年度もオンデマンド配信を行います。この決定を下すにあたり,実行委員長の衛藤校長先生を中心に愛知県立豊橋聾学校をはじめ東海地区7校の実行委員会では開催方法を集合型にするのかハイブリッド型にするのか,Web配信一本にするか等様々な検討を何度も重ね,最後の最後(8月初旬)に今回の決定を導き出したと伺っております。私はこの決定までのプロセスに心から敬意を表したいと思います。なお,大会まで残り僅かとはなりましたが,新型コロナウイルス感染症のBA.5系統やケンタウロス株への置き換わりにより感染者の高止まり等まだまだ予断を許さない状況での大会運営となりますので,一層のご配慮をお願いするとともに,3年ぶりの集合開催となります愛知大会の成功を心より祈念いたします。

最後になりますが,今年度も本部事務局におきましては,集合型の開催が突然難しくなった折の参加費等の補填や大会終了後の記念講演の配信等で大会事務局をサポートさせていただいております。このように,今後につきましても本研究会を支えるべくさまざまな改善に取り組んで参りますので,建設的なご意見や何か疑問等がございましたら,本部事務局までお知らせいただきますようにお願い申し上げます。

 

 

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